■ペレットストーブの火災の危険■

インターネットや知人などから暖房器具としてペレットストーブを知り、購入を検討される方は沢山いらっしゃると思いますが、ペレットストーブにはメリットやデメリット、危険性などございます。それ以上に快適な暖かさと癒しを可能にする素晴らしい暖房器具であることは間違いありません。ここではペレットストーブのシステムの基本を知って少なからずリスクがある事をご購入前に知って頂きたくご説明いたします。

ペレットストーブ
代表的なペレットストーブの構造

■火災の危険性はゼロではない!

ペレットストーブはその名の通り木質ペレットを燃料としております。ペレットはペレットタンク①から燃焼皿③へ運ばれて燃焼します。ペレットストーブの中で唯一の可燃物がペレット燃料です。そのペレットはペレットタンク①へ蓄えられています。それが燃焼室⑤のすぐそばにあるのがペレットストーブです。

つまり火災の危険性はゼロではないのでこれだけはご承知下さい。

し、様々なペレットストーブが日本国内でも販売されておりシステムも異なりまりますので、危険性も異なります。火災についての危険性は各メーカーへお問い合わせ下さい。

■どの様な場合に火災にになるか?

燃焼中または消火途中において排気されない場合に危険です!

排気されないという事は、煙だけではなく熱も排気されないということ!

熱が排気されないとペレットタンクをはじめとする燃焼室の周りに伝わります。

ペレットストーブは当然、不燃材で作られています。ただし・・・・・・!

唯一、ペレットタンクの燃料はすぐそばにあります。

ペレットタンクが考えられる火元になります!!!

 

排気されない最大の原因は排気ファン⑧が作動していない事です。

排気ファンが作動しない理由は次の事が考えられます。

■落雷や天災が原因の停電

■ストーブ内部の故障(排気ファンやマザーボードの不具合)

■予備知識が不足していたための操作ミス(リセット方法や消火の手順間違い)

これらはいずれも起こりうることです。電気を使うペレットストーブにおいては、最悪の場合はご自身で火災から身を守る必要がある事を肝に命じて下さい。

 

但し、慌てないで下さい。ペレットタンクは半密閉状態です。排気ファンが止まっていれば、なおさら空気が供給されにくい状態ですので、直ぐに火が燃えだすことはありません。

最初は煙がもくもく上がりますので、この間に慌てず処置する事が大事です。

■火災への備えは何をする?

■安全策1

ペレットストーブの設置において火災に備えるなら、断熱二重管の煙突で2m以上4m以下で軒の上に防風効果の高い煙突トップを設けて設置して下さい。

これは薪ストーブと同じように暖かい空気が上に上がる「自然ドラフト効果」を利用します。

最低でもストーブ高さより高い位置に煙突トップが来るように立ち上げて下さい。

万が一、排気ファンが止まっても「自然ドラフト効果」で煙や熱を吸い上げてくれます。

また煙突トップは風よけタイプや弊社推奨の「ドラクリ」で自然ドラフトを阻害する強風の吹き込みを防いで下さい。これによりほとんどのリスクは解消されます。

間違ってもストーブより煙突トップが低い位置にあったり、横引き(煙突の水平部分)長さが

立上げ(煙突の垂直部分)長さの1/2以上となるなる様な「自然ドラフト」を全く発生させない排気システムは停電などで排気ファンが停止した場合、火災に対しては無力です。

但し、それでもリスクはゼロではございません。またデメリットとして設置費用や煙突メンテナンス費用も高くなります。十分に理解されていれば最小限の排気管でも安全に楽しめるストーブです。販売店と良く相談して決めて下さい。

 

■安全策2

ペレトタンクに熱が伝わる前に、排気ファンを回して下さい。

停電や機械の故障以外の操作ミスで排気ファンを止めてしまった場合のみ有効です。万が一に備えて、設置後その手順を販売店へ確認して下さい。

 

■安全策3

万が一の停電に備えて、無停電電源装置と言うものがあります。いわゆるバッテリーです。

パソコンの非常電源として普及しているものです。ストーブの消費電力に合ったものを用意すると良いでしょう。短時間なら安全に消火まで出来ます。

■火災への最終的な対処は?

これまで述べた通り、めったに起きないペレットストーブの火災ですが最終的な消火は水を掛ける事です。特にペレットタンクから煙が出てきたらためらわず水を少しずつ掛けて下さい。

停電以外の場合は感電しない様に必ずコンセントから電源コードを引き抜いて下さい。

※通常の運転時は絶対にメインスイッチを切ったり、電源コードを抜かないで下さい。

一度に大量の水を掛ける必要はありません。慌てず確実に掛ければ絶対に燃え広がりません!

濡れたペレットは燃えませんから!!

消火器よりも確実です。

煙は室内に漏れ出しますので窓を開けて換気して下さい。

ご自分で手におえない場合は、消防に連絡する事をためらわないで下さい。

 

繰り返し申し上げますが、慌てないで下さい。ペレットタンクは半密閉状態です。排気ファンが止まっていれば、なおさら空気が供給されにくい状態ですので、直ぐに火が燃えだすことはありません。最初は煙がもくもく上がりますので、この間に慌てず処置する事が大事です。

またFF式はFE式に比べて燃焼室の密閉度が高いのでより引火し難い利点もあります。

 

■究極の対応

地震などの天災の場合は最低限の処置を行い、いち早く逃げて下さい。倒壊や火災などからご自分の命を守る事が最優先です。

これはペレットストーブだけの話ではなく、石油ストーブや薪ストーブでも同じ事です。

燃焼中に倒壊するようですと火災に繋がります。

天災においても保証される火災保険にご加入する事をお勧めいたします。

■排気筒から出る火の粉について

薪ストーブと同様にペレットストーブでも火の粉が煙突トップから出るのが見える場合があります。要因としては「粉が多いペレットの使用」「火力が大きすぎる」「煙突が低い」などがあります。特に煙突が低いと火の粉は出やすくなります。1.5m以上立ち上げることを推奨しているのはこれが理由の一つです。特にストーブ背面から壁を抜いて終わりの様な排気管は絶対にしてはなりません。

但し、1.5m立ち上げても火の粉が完全に出ない訳ではありませんが、頻度はかなり少なくなります。また、仮に火の粉が出ても直ぐに消えてしまいます。

従って、適切な設置と使用を行い、煙突トップ(火の粉の出口)と可燃物との距離を十分に確保すれば火の粉が火災の原因になるこはまずないと考えられます。但し、繰り返しになりますがあくまで火災の危険性はゼロではございません。

煙突トップと可燃物との離隔は下記参照下さい。

購入前に怖い話を申し上げましたが火を取扱う以上はは心得ておかなければならない事項です。ペレットストーブの仕組みを理解して必要な準備していれば心配ございません。

ヨーロッパをはじめ、各国で普及しているペレットストーブです。またテルモロッシのペレットストーブはヨーロッパのEN規格に準拠して設計・製造されています。危険であれば普及しません。今回は突発的な特殊事例の場合について警鐘したものです。現時点で重大事故の報告は聞いておりませんが快適なペレットストーブライフを送る為にも最低限の基礎知識を持って下さい。またペレットストーブを操作するご家族の皆様にもご教示して下さい。

またペレットストーブではめったに起きない事ですが煙道火災(煙突内の着火)というものもあります。不適切な排気筒にすると起こります。

ご不明な点がございましたらご遠慮なくお問い合わせ下さい。