■煙突・排気管・排気筒■
ペレットストーブや薪ストーブにおいては必ず煙突が必要です。煙突なしというペレットストーブはありません。また、ペレットストーブでも煙は出ます。ただしペレットストーブは薪ストーブとは異なり通常は電気を使って排気ファンが装着されておりますので軒の上まで立ち上げる煙突は必要ありません。一般的にはペレットストーブ、ペレットボイラーの煙突は排気筒や排気管と呼ばれております。FF式の場合は吸排気管とも言います。これは内側は排気、外側は外気から燃焼空気を取り入れる吸気のための二重管です。 極寒地域の場合は排気筒が結露する場合がありますので極寒地域及び排気筒を屋外にて立ち上げる場合は断熱材入り二重管にて施工することをお勧めいたします。
またペレットストーブにおいては壁から抜いて水平に排気筒を出して終わりというような施工を見かけますが弊社ではお勧めしておりません。その理由は火の粉や煤が沢山飛散する事や停電の際、排気ファンが停止すると自然ドラフトでの排気が難しいからです。テルモロッシのペレットストーブを設置する際はストーブ高さよりも高い位置に煙突トップを持ってくる事を推奨しています。
また水平に排気管を出して終わりというタイプですがET1000クラスのストーブの場合、排気抵抗が極端に小さくなり燃焼皿の下から入り込む燃焼空気の流速が早くなり乱れることにより燃焼が同様に乱れ燃焼音が大きくなりますので特にお勧めできません。
逆にに床下等に等に下げると極端に排気が悪くなり、排気ファンの熱負荷が増大して排気ファンの寿命を極端に短くします。この様な排気管設計は行わないで下さい。
■テルモロッシのペレットストーブの煙突・排気筒の基本まとめ
■シングル管、断熱二重管の使用区分について
ペレットストーブの煙突・排気筒は薪ストーブと同様に屋外立ち上げは断熱二重管が基本
です。(EN規格では断熱二重管が必須です。)これは煙道内の結露を防止して煙道火災を
防ぐことが目的です。
但し、ストーブの排気温度と外気温との関係よりテルモロッシのペレットストーブをご利
用の場合は下記外気温基準を追加いたします。
<外気温が-10℃以下となる地域の場合>
屋外立ち上げは断熱二重管として下さい。
室内立上げの場合はシングル管にて可とします。
※外気温が-常に-10℃以上の地域においてはテルモロッシの場合最少火力レベルで通常燃焼
している場合で屋外シングル管立上げでも結露は有りません。但し立上げ高さ1mの場合。
■煙突・排気筒の材質及びコーティングについて
ペレットストーブで木質燃料を燃焼させる際に発生する木ガスは酸性度が高い
(pH1.5~3.75)ので、排気管には耐食性の高い素材を使用する事が必須です。
推奨する材質、コーティングは下記です。
ステンレス管:AIAS316L相当以上の耐食性が必要です。
スチール管:エナメルコーティング(ホーロー挽き)以上の耐食性が必要です。
■煙突・排気筒の立上げ高さについて(EN規格より)
排気ファンが停電などで停止した場合、ペレットタンクへの引火を防ぐためには自然ドラフ
トが必要になります。
推奨高さ 2~4m
※4m以上の立上げはドラフトが強くなり過ぎます。
※2mを超える屋外立ち上げはシングル管の場合、外気温が-10℃以上でも結露の可能性が
ありますのでお控え下さい。
※SAVEシステムⅠの場合は1m管を追加して下さい。
■口径について
ストーブの排気口径に合わせる事を標準として絞る事は禁止します。また最大Φ150以下に
して下さい。口径が大きすぎるとかえってドラフト力が低下します。
ヨーロッパ製のペレットストーブはΦ80またはΦ100です。
口径とは管のオス側の外径が海外の標準です。
Φ80の場合 オス側の外径:約Φ80~81mm メス側の内径:約Φ82~83mmです。
■排気トップについて
軒の上に60cm以上立ち上げるのが理想ですが、壁際にて止める場合は壁より40cm以上
離して下さい。壁の汚れ防止や風圧帯を避けるのが目的です。
45度エルボ等で下向きにする場合は開口部を地面と平行になる様にカットして下さい。
または、「ドラクリ」や「鳥の口ばしトップ」をお使い下さい。
メッシュ構造の煙突トップは使用しないで下さい。
シーズンオフの場合はストーブ内の防錆の為、煙突トップをキャップで覆って下さい。
※技術的根拠のある場合は上記の限りではありません。
■排気筒に関して知って欲しいその他の情報
■煙突・排気管・排気筒の取扱メーカー■
<イタリア・SAVE(サーベ)>
<イタリア・SCIABORDI(スキアボルディ)>
ペレットストーブ、薪ストーブにおいて煙突内への風の吹き込みは様々なトラブルを引き起こします。煙突トップの風除けにはイタリアSCIABORDI(スキアボルディ)のドラフトクリエーター「ドラクリ」をお勧めいたします。
■標準排気管セット
イタリア・SAVE(サーベ)社の標準排気管セットは下記クリックして下さい。
■ユーロストーブオリジナル・ペレットストーブ排気システム
ユーロストーブで開発したペレットストーブ用排気システムは次の様なステップで進みました。
■煤煙捕獲装置
1:イタリア・SAVE社の「アクアフィルター」発売(2005年)
2:ユーロストーブ・オリジナル「サイクロンドラム」実用新案取得(2007年)
■熱交換機能を備えた室内負圧解消システム
3:ユーロストーブ・オリジナル「熱交換式簡易排気システム」(2009年)
■煤煙捕獲機能と熱交換機能を備えた室内負圧解消システム
4:ユーロストーブ・オリジナル「サイクロンHEX」実用新案取得(2009年)
1の問題点は風の向きにより排気口に圧力がこもることと、汚れた水の処理が厄介なこと。
2の問題点は1と同じく水の処理が厄介なことと、規格品・市販品の組み合わせで製作したため十分な排気抵抗の低減が出来なかった。
3は価格的には安価で出来たが風除けキャップ周辺の煤塵による汚れや組み立て性に若干の問題を残した。
最終的に4の「サイクロンHEX」で全てを解消しました。
●風向きの影響をほとんど受けない。
●サイクロン効果で火の粉は全く出ない上、排気ガスは綺麗で捕獲された煤塵はサイクロンの底に溜まるので底のキャップを外せば簡単にクリーニング出来ます。
●立ち上がりの排気管を太くすることで排気抵抗を下げストーブへの負荷を軽減しました。
●外気を熱交換しながら自然に室内へ取り込むことでペレットストーブに及ぼす様々な室内負圧のトラブルが解消されました。
●廃熱を利用して熱交換しているためエネルギーロスが少なくしかも二重構造となるため火傷の危険性が軽減されます。
●接続部は全てシールリングを使用したはめ込み式なので簡単に分解出来サイクロンの中まで手が入るのでメンテナンスもユーザー様自身で行えます。
<ペレットストーブ用自然給排気システム・SAVEシステムⅠ>
ペレットストーブ用の簡易排気システムとしてこれまで「熱交換式簡易排気システム」を販売してまいりましたが更に改良を加えた熱交換式簡易排気システムを発売します。薪ストーブには使用出来ませんが排気ファンを備えたペレットストーブの場合は価格も安く余計な吸気口を設けなくても済みます。
<主な改善点>
■ドラクリの採用・・・ドラクリの詳細はこちら
■排気管の灰の掃除がしやすいT字管を立ち上がり部材に採用
<セット内容>
■Φ80x1m・・・2本
■Φ80xT管・・・1個
■Φ80xスチームトラップ・・・1個
■Φ80xドラクリ・・・1個
■Φ120xパイプガイド・・・2個
■Φ120x50cm・・・・1個
■Φ80xシリコンパイプガイド(風除けカバー)・・・1個
■Φ80ヴィトンリング(耐熱300℃)・・・1個
■Φ80シリコンリング(耐熱200℃)・・・4個
■Φ120シリコンリング(耐熱200℃)・・・2個
■給気口用メッシュプレート・・・1枚
■Φ80用壁保持器・・・1個
■Φ120用断熱材(25cm)・・・1個
セット価格(税抜):50,000円
※横引きに1m管は設置に合わせてカットして下さい。
ユーロストーブ標準排気管
「SAVEシステムⅠ」です。
<ペレットストーブ用自然給排気システム・サイクロンHEX>
注意:サイクロンHEXにはドラフト効果はありません。排気ファンが停止すると自然排気が
出来ませんので予めご理解の上、設置をご検討下さい。
サイクロンHEX価格:120,000円(税抜)
サイクロンHEXはユーロストーブのペレットストーブ用オリジナル排気システムです。火の粉や燃焼灰をボックス内のサイクロン構造にて捕捉します。従って煙突トップには煤の付着が極端に少なく、壁などを煤で汚す心配もありません。また捕捉した灰はサイクロン底のスチームトラップに溜まりますので定期的に捨てるだけでシーズン中は煙道の詰まりを心配する必要もありません。
注意:排気や臭いを吸収する触媒機能はございません。従って集合住宅等では特に近隣の
方の理解が必要になる場合が多々ありますので必ずご確認下さい。
★サイクロンHEXを使用した設置例はこちらをご覧下さい。★ <サイクロンHEX設置例>