■ペレットストーブの使用前の日々のメンテナンス■

ペレットストーブはお客様自身によるお手入れ(メンテナンス)が必要です。それは毎日、ご使用前に行って頂く必要がございます。不具合や事故を防ぐためにも正しいメンテナンスを行って下さい。メンテナンスのポイントを理解していれば作業自体は簡単な作業です。

■ペレット燃料について

欧米製のペレットストーブは基本的にホワイトペレット(樹木の皮を含まない木部のみを原料にして作ったペレット)を燃焼させるように設計されています。一方、日本国内ではホワイトペレットの他、全木ペレット(皮を含む樹木を原料にして作ったペレットで、皮の含有率により灰・クリンカー〈粘着性燃焼残渣〉の量が変わる)やバークペレット(樹木の皮のみを原料にして作ったペレット)も生産されています。全木ペレットはクリンカーの処理を適切に行えば欧米製のペレットストーブにも使用できることが知られておりますが、適切な点火前点検を怠ると、不完全燃焼や燃料の堆積による逆火の危険性があります。ホワイトペレットであってもクリンカーの出来やすい燃料も稀にありますので、ペレットの種類に関わらず、必ず以下の「点火前の注意事項」を遂行してください。又、バークペレットは着火後数時間内にクリンカーによる不完全燃焼や燃料の堆積が始まりますので欧米製のペレットストーブには決して使用しないようご注意ください。ペレットの規格化が不十分な日本国内においては必ず「点火前の注意事項」を遂行することが安全な運転と高燃焼効率化につながります。

ストーブのメンテナンスについては取扱説明書にも書かれていますので下記以外の事項についてもお手元の取扱説明書に従って下さい。

■点火前の確認事項

注意:タイマー着火の場合も消火後または未使用時と同じ確認を行って下さい。

ペレットストーブ,メンテナンス
燃焼皿のクリーニング

1.ドアの下にシート或いはトレー(*1)を敷き、ドアを開け、燃焼皿を取り出し、クリンカーを掻き落とし、大きめの焼き鳥の

串(*2)などで空気穴が一つも塞がっていないことを確認します。

酸欠状態=不完全燃焼を防ぐのに最も重要なポイントです。

着火ヒーター周りも同様です。(毎朝着火前)

 


ペレットストーブ,メンテナンス
燃焼室の掃除

2. キッチンブラシ(*3)で燃焼室内側全面に付いた煤を掻き落とす。

(金属自体の色になる。)(毎朝着火前)

 


ペレットストーブ,メンテナンス
燃焼皿を置く所もクリーニング

3. 小さな灰掬い出し用スコップ(*4)で燃焼皿直下に溜まった灰をすくい出す。このような作業は水フィルター掃除機などを掃除専用に使うことをお勧めします。

(約2週間に一度)

4. 灰受けに溜まった灰をシート或いはトレー(*1)の上に出し、再セットする。(約1週間に一度)

5. 燃焼皿を設置する前に受け台との間に灰が残らないようにキッチンブラシ(*3)などで完全に灰を掃き落とす。空気漏れを

防ぐためです。空気が漏れると、燃焼用空気が不足して不完全燃焼や燃料の堆積の原因となります。(毎朝着火前)

 


ペレットストーブ
ET1000、3000の炎制御板
ペレットストーブ
ET6000、8000の炎制御板

燃焼皿の炎の制御板は正しい向き、位置へセットして下さい。

(炎をガラスと反対側へ制御することによりガラスはより汚れにくくなります。)

 


6.キッチンペーパー(*5)でガラスの内側に付いた煤を拭い取る。(毎朝着火前)

7.燃料が充分入っていることを確認してから点火スイッチON.

8.トレー(*1)に集めた灰を畑などに捨てる。

 

ペレットストーブ
お掃除道具の例

最適な燃焼を確保するためには1.と5.が特に重要です。

一般的に煤が1mm付くと熱交換効率が5%落ちるといわれています。2と6は熱効率を上げるために行います。

*1~*5:お掃除に便利な5つ小道具

 

 


■重要観察事項

★着火失敗した場合は燃焼皿のペレットは必ず一旦取り出して再スタートして下さい。

 そのままですとペレットが多すぎるので不完全燃焼となり煙に一気に火が着き圧力で

 ガラスが割れる場合がございますので必ず確認して下さい。

(燃えカスには十分ご注意下さい。)

★炎の形は燃焼状態を如実に表します。炎の状態を理解しましょう!

◎先端が尖った勢い良く噴出すような炎は燃焼皿の下から噴出す一次燃焼空気が充分ある

 ことを示しています。

ペレットストーブ
尖った良い炎1
ペレットストーブ
尖った良い炎2

●逆に、ゆらゆら勢いのない大きな炎は空気不足で不完全燃焼状態を示します。酸素不足なので燃焼室内壁に煤が付着しやすい状態です。炎が大きく見えても不完全燃焼なので、熱効率は悪く温まりにくい状態です。このような炎に変化した後は長時間の連続運転は避けて下さい。このような状態で消火し、次回空気穴が塞がった状態で点火すると、不完全燃焼の度合いは次第にエスカレートし、「燃焼皿上に燃料が堆積する」危険な状態に進行します。堆積した燃料が燃料供給口を塞ぐところまで積もると「逆火」の危険な状態に進行する恐れがあります。

<悪い燃焼状態とその時の燃焼皿の状況>

▲燃焼室内の気圧は部屋の気圧より極僅か低くなるように設計されています。この圧力差により燃料供給口やガラス扉の隙間から二次燃焼空気が流入しています。燃料供給口の所の炎の形が変化しているので、判別できます。二次燃焼空気は「完全燃焼」させるために重要な役割を持っています。この空気の流入が目に見えない場合や炎の輝度が低く、異常に大きく見え燃焼室の天井まで届いている場合には、燃焼皿の穴がクリンカーで塞がっているか、燃焼室内の方が部屋の気圧より高い「逆圧」になっている可能性があります。この場合燃焼ガスが室内へ逆流します。不完全燃焼になるので、煤で部屋を汚しかねません。気密な建物の空気をファンで強制的に排出する場合(第三種換気システム)はこのような危険が考えられますので設置の際は室内が負圧にならないよう適切な給気口及びドラフト圧(煙突の設置)を確保して下さい。平成15年7月より住宅には換気システムの設置が建築基準法により義務付けられていますが、手抜きをしている場合が多いので換気システムを必ずご確認ください。参考としてET6000、8000の場合で1時間あたり約35立方メートルの空気を必要とします。

<燃焼室内の防錆について>

消火する前に最大火力で5分ぐらい燃焼させると燃焼室内は白っぽく還元されます。(酸化の反対)これにより錆難い表面になります。シーズン終了時はこの後燃焼室内の灰を綺麗に取り除き、防錆油のスプレーを施して頂とかなり錆びにくくなります。

 

薪やペレットなどの木質固形燃料を燃やす場合、ガスや灯油などと燃焼のメカニズムが異なります。木が約240℃以上になるとガス化が始まります。私共が見ている炎は木ガスが燃えている状態です。又、充分な酸素があり、完全燃焼すると炎は見えなくなります。不完全燃焼時ゆらゆら大きな炎になると「燃えすぎ!」と錯覚することがありますが、実は酸欠の場合が多いです。見掛けの炎の大きさが発熱量と比例しないのは「炎」=「不完全燃焼の状態」を見ているからです。このような状態では煤も付きやすいです。完全燃焼時には煤が付かず、むしろ燃焼室内は金属色になります。炎の状態を理解することがストーブをより良い状態で使うことにつながるので、炎をよく観察する習慣をつけましょう。THERMOROSSI社のペレットストーブは自動供給されるペレットの供給速度(オーガーモーターの制御)と一次と二次の燃焼空気供給速度(排気ファンの制御)が内臓マイクロプロセッサにより自動計算されていますので、クリンカーによる閉塞状態などがない状態に保てば常に高い燃焼効率を自動的に維持しています。但し、木質・固形であるために燃料の質を均一に維持することは一般的に困難です。

燃料のメーカーを変えた場合、種類を変えた場合、生産ロットが異なる場合は炎の状態の変化とクリンカーの発生量には必ず注意を払って観察してください。

 

 

<火災の予防について>

ペレットストーブにおいて天災、操作ミスなどによりペレットタンクへの引火の可能性はゼロではありません。購入時に初期消火の対応ならびに危険事項について必ず販売店から説明を受けて下さい。ご不明な点は輸入元までお問い合わせ下さい。

テルモロッシのペレットストーブの日々のお手入れ方法
テルモロッシの日々のお手入れは簡単!
これは他のペレットストーブにも共通して言えることですが、ペレットストーブ
日々のメンテンテナンスにより快適な運転が可能になります。
テルモロッシのペレットストーブをお使いのお客様は下記をご覧頂き
メンテナンスを行なって下さい。
ご不明な点はご遠慮なくお聞き下さい。
点火前注意事項取説添付 20140304改.pdf
PDFファイル 296.1 KB