■ペレットストーブの選び方1■

ペレットストーブの選び方は様々ですが現在日本には海外製、国産含めて多くのペレットストーブが流通しております。ついてはいざ購入を決意してもどこのペレットストーブが良いのか迷うはずです。

ここでは大まかなペレットストーブの選び方(判断材料)についてご説明いたします。

細かい機器の詳細の違いなどは次の

「ペレットストーブの選び方2」を参照して下さい。

■国産のペレットストーブと海外製はどちらがいいか?

これは判断する基準によって違うので参考にして下さい。

現在、日本ではペレットストーブよりまだまだ薪ストーブの方が人気があります。従って薪ストーブユーザーからペレットストーブに乗り換える場合、薪ストーブの様なデザインを好まれる方が多くいらっしゃいます。

国産のペレットストーブメーカーの中にも薪ストーブタイプのデザインを製作しているところもあります。

品質の面から言いますと信頼出来るのはヨーロッパ製です。ご存知の通りヨーロッパ(EU加盟国)は環境に厳格です。またペレットをはじめとしてペレットストーブにも厳格な統一規格があります。イタリアなどは世界一のペレットストーブ大国です。ヨーロッパに輸出しているメーカーであればその統一規格に準拠したストーブです。

デザインの特徴は縦長タイプで音が静かです。

北米製の特徴は薪ストーブのようなデザインが主流で音は大きいのが特徴です。

国産のペレットストーブは海外製のペレットストーブを参考にして現在発展途上です。

日本にはまだ統一規格がないので見よう見真似で製作しているのが現状です。

特徴としてはほとんどがFF式を採用しています。ここは注意して下さい。FF式は完全に燃焼空間と室内をシールドしていなければなりません。スポンジの様なシール材ではシールド(密閉)出来ません。そのような偽物FF式が多いので実物を見る機会がございましたらペレットタンクの蓋、着火ヒーターのシールド、ドアなどのシールを確かめて下さい。良い面は日本の住宅事情などに合わせて設計出来るので、日々進化しています。

近年ではヨーロッパ製でもFFタイプが出始めました。これはパッシブハウスでも熱交換をしない安価な給排気システムの登場によるものかと思います。

■ペレットストーブの価格は妥当か?

ペレットストーブの購入において一番気になるのは価格の事だと思います。特に本体価格はどこに違いがあるか知りたい所だと思います。海外製のストーブは輸入しているのでどうしても現地の販売価格より高いのは事実だと思います。それを考慮しても価格にはそれなりの理由があります。安いペレットストーブはそれなりの理由があります。

<ストーブの材料>

ペレットストーブの様な燃焼機器は耐熱性、耐久性、保熱を求められるので多くの部品は鋳物で作られています。ご存知の通り鋳物は鋳型により作られるので、板金に比べてコストは高くなりますが、鋳物の利点がストーブとしての価値を高めます。価格の安いストーブは板金部品がほとんどです。価格が安いからと言って大事なポイントを見逃さないで下さい。

■燃焼皿は鋳物か?

■ドアフレームは鋳物か?

■燃焼室は鋳物か?

■その他の部品に鋳物は使われているか?

同じ価格なら板金ものより鋳物を使っている方が総合的に価値のあるストーブです。

特に燃焼皿はステンレス板金ですと熱で変形してしまうケースが良く見られます。燃焼皿は鋳物をお勧めいたします。

デメリットとしてはストーブ全体が温まるまで多少時間が掛かる事です。また燃焼皿の鋳物は着火時(特に寒い朝など)にヒーターの熱を多少奪うので着火に時間が掛かる場合があります。

イタリアで低価格のペレットストーブは部品のほとんどが中国製、また殆ど板金で作られています。これはホームセンターで中国製の安いペレットストーブと販売競争をしているためで

す。従って本国イタリアでは量販店向けのストーブしての位置づけで見られています。

<ストーブの外装>

これは当然の事ですが、イタリア製のペレットストーブの外装はタイルや天然石の外装がありますが、これは外装が価格を上げています。外装の価格を差し引いて比較して下さい。

<装備品>

装備品ですが国産のものには遠隔操作が出来る操作リモコンはついておりませんが、イタリア製にはほとんどが標準装備されています。自動温度調節運転が出来るリモコンですとリモコンの値段が数万円します。本来ペレットストーブとしては必要ないものですので本体価格から差し引いて本質の本体価格で比較して下さい。つまり自動運転が出来るリモコン付きのペレットストーブの本当の本体価格は数万円安いストーブという事です。それが安いということはストーブ本体にお金を掛けていないとも言えます。

またペレットストーブは自動着火、手動着火の2種類がありますが手動着火はそれ以外の部分にコストをかけています。ヨーロッパの規格ではペレットストーブは自動着火と決められています。これは操作中にドアを開ける危険な作業は認めていないという考えです。

温風ファンを装着していないペレットストーブは薪ストーブ同様自然対流の暖房方式です。安くて当たり前です。

<安全装置>

安全装置の有無はストーブの価値を高めるものですのでストーブの比較に加えて良いと思います。安全装置の代表は温度センサーでしょう。着火を確認する低温センサー、ストーブ内部の温度上昇を監視する高温センサー、さらにペレットタンクなどへの引火を防ぐセンサーこの3つのセンサーが装着されていれば十分です。テルモロッシのペレットストーブは標準装備されています。新しいモデルは不具合の少ない排気温度センサーで管理されています。

 

排気圧力センサーは排気管の詰まり、排気ファンの異常などを監視するセンサーです。ほとんどのストーブに装着されていますので必要な安全装置と言えるでしょう。

高級なセンサーに吸気の流速を監視して排気圧センサー代わりや排気ファンをコントロールしているペレットストーブもありますが、私の経験ですと様々な要因で反応しますのでそのストーブの仕組みを理解していないユーザー様ですと扱いづらいストーブとなります。

 

最後に国産のペレットストーブに多いのが感震センサーです。これは石油ファンヒーターなどに装着されているのでお馴染みですが地震を感知すると電源をストップします。これはストーブに装着されていなくてもコンセントに差し込める市販品が安く売られていますのでそれを購入すれば感震センサーが装備されていないストーブで同じ安全が得られると思われがちですが、実は熱や煙を排出する排気ファンも止まりますので直ぐに排気ファンを稼働させる処置が必要になりますのでご注意下さい。熱がペレットタンクへ流れると火災の危険があります。

テルモロッシでも初めてモナムールに搭載されました。私の私感ですが感震センサーは地震の備えの様に思われますが、ストーブのシステムとしては単に燃料の供給をストップして消火モードになります。つまり直ぐに火が消えるシステムではありません。本当に地震に備えるならアンカーボルトでしっかり固定し消火器を備えるという昔ながらの方法がベストだと思います。

以上がストーブ本来の価値を比較するために予備知識をお考えいただければと思います。

ペレットストーブの細かい部分、より専門的な部分については次項の

「ペレットストーブの選び方2」をご覧下さい。

 

またその他お知りになりたい事がございましたらご遠慮なくお問い合わせ下さい。