■煙突・煙道火災について■

薪ストーブでは良く聞く話ですが、ペレットストーブにおいても使用者の間違った取扱いや煙突・排気筒の施工状況においては発生する場合があります。ここでは煙道火災に対する考え方やテルモロッシのペレットストーブの場合について検証実験を行ったのでまとめてみました。

■ペレットストーブの煙道火災のメカニズム

煙道火災は下記2段階で起こる現象と考えます。

1.不燃ガス(不完全燃焼の煙)が煙道(排気筒内)に充満して一気に火が付く。

2.その熱で堆積・付着した木酢やタールが気化して引火し燃える。その後堆積している煤が

 燃える。木酢やタールの付着の原因は不燃ガスが煙道内で結露する現象です。

 

簡単に言うと「不完全燃焼」と「煙突内の結露」が煙道火災の原因です。

 

■不完全燃焼を防ぐには

不燃ガス(不完全燃焼)の充満は燃焼皿の掃除が不十分で燃焼空気が十分に送られず着火せずに燻された状態が長時間続いた場合や燃焼中に立ち消えして同様に燻される状態が長時間続いた場合に起こります。また粗悪なペレットを使いクリンカーが生成されると同様な事が起こります。この様な状態にならないようにするためには、燃焼皿に不燃ペレットを溜めすぎない事が最重要です。また着火失敗後には燃焼皿のペレットは取り除いて下さい。

燃焼皿の点検、掃除は燃焼皿の空気穴が塞がっていないか使用前に行って下さい。

ヨーロッパのEN規格ではペレットストーブはスムーズに煙が排出されて不完全燃焼が起らないように下記の様に煙道(排気)を阻害するおそれのある行為を禁止しております。

1.燃焼器や煙道にダンパーを設けてはならない。

2.リデューサなどで煙道を縮小してはならない。

3.鳥が侵入しないように排気トップへ網えを付けてはならない。

煙道内の煤は炭素なので燃えますが再び気化することはないので煤だけでは燃えにくいものですので仮に火の粉が飛んできても燃えることはほとんどありません。しかしながら、年に1回または2回は煙突を掃除して煤と灰を除去して下さい。

■結露を防ぐには

通常ペレットストーブは完全燃焼に近いので煙突内は乾いた状態です。結露する場合は排気温度が52℃以下になっていると推定されます。

ペレットボイラーにおいては温水温度が52℃~60℃以下の場合は循環しない様にしたり、三方弁にてショートサーキットを組みます。これは燃焼排気ガスが結露するのを防ぐ温度とされています。ペレットストーブにおいてもこの温度を基準にするべきと考えます。

タールが堆積する状態は不完全燃焼の状態を表しているのでタールが付かない条件にしなければなりません。結露しない条件は煙突の排気口付近の排気温度が52℃以上と考えるのが妥当です。

■結露を防ぐ具体策

結露を防ぐ効果的な方法は断熱材入りの二重管の煙突にする事です。未燃ガスが冷却されずに排出されるので結露しません。

二重管は高価で重く基本的には薪ストーブの屋外用に使用されます。ペレットストーブの場合

でも北海道のような寒冷地では屋外で立ち上げる場合は二重管は必須です。

イタリアではペレットストーブの排気管は簡易煙突で沢山設置されています。排気ファンが装着されているペレットストーブにおいては必ずしも断熱二重管は必要ではありません。ストーブの性能、地域や周辺の環境により煙突の形態は変わっても良いと思います。但し、あくまで

結露しない事が条件となります。

テルモロッシのモナムールで実際に排気温度計測してみます。

■テルモロッシのペレットストーブの排気温度計測

テルモロッシのペレットストーブの排気温度を測定して断熱二重管が必要な環境基準を把握します。テスト機は最新モデルの「Mon Amourモナムール」でテストしました。暖房能力はエコサーモ1000と同じですので排気温度も同等レベルです。テスト環境はストーブ本体排気筒共に排気温度が上がり難い屋外で実施しました。煙突は弊社標準セット「SAVEシステムⅠ」を使用

しております。

 

■排気温度計測結果

モナムールの排気温度は着火モード(20分)終了から通常運転モードへ切り替わった時点で85℃以上を計測しております。当然ですが排気管の結露はありません。

テルモロッシのストーブ自体に手動のダンパーは装着されていませんので外気温11.8℃の時の

最低排気温度はシングル管1m立上げで85℃以上と判断出来ます。

排気温度はシングル管の場合、外気温の影響を受けます。単純に考えるとテルモロッシのペレットストーブにおいてはシングル管1m立上げの場合に排気温度が52℃以下になると思われる外気温度は

11.8℃-(85℃-52℃)=-21.2℃(結露が予想される限界の外気温度)

 

燃焼のバラツキや安全率を考慮すると

テルモロッシのペレットストーブの排気管は外気温度が-10℃以下となる地域に設置する場合、屋外の立上げ排気管は断熱二重管にて施工して下さい。

同様に不完全燃焼に関する注意をユーザー様へお伝え下さい。

また屋外のシングル管での施工は総煙突長さ1.5m程度なら問題ないと思われます。

空気の取入れダンパー等があるペレットストーブの場合、調整を誤ると排気温度が上がらない条件で燃焼させているケースがありますのでご注意下さい。

※ユーロストーブでは機器の取扱説明書と一緒に点火前注意事項として日々のメンテナン

 ス方法の資料を添付させて頂いております。是非、ユーザー様と一緒に熟読下さい。

 

ペレットストーブご使用前(点火前)の注意事項
不完全燃焼を起こさないための注意事項等を説明しております。必ず熟読して下さい。
点火前注意事項取説添付 20140304改.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 296.1 KB

■今後の展開

今後の展開としましては寒冷地用の断熱二重管の標準セットを販売したいと思います。

またヨーロッパでは排気に対する耐食性の規格より煙道はSAVEのようなホーロー挽きかステンレスの材質SUS316Lを使用するように定められています。

断熱二重管はSUS316Lを使用した排気筒セットにしたいと思います。