■ペレットストーブが着火しない

ペレットストーブにおいて一番多いというか悩ましい相談が「着火しない」とういトラブルです。最初に申し上げますが着火しないトラブルは何らかの原因で必ず起きます。

ストーブの不具合と思わずにご自分でチェックして見ましょう。明らかな着火不良は着火ヒーターに原因がありますので前項の「着火ヒーターの交換」を参照して下さい。

ここではお客様自身で確認出来る着火に失敗しなコツをお教えします。

■大事なのは着火前のお掃除

ペレットストーブの着火失敗のほとんどの原因はクリーニング不足です。燃焼皿のクリーニングは毎朝やって頂いていると思いますが次の点を注意して下さい。

<着火の仕組みを理解してクリーニングする>

ペレットストーブ

ここがポイント!!

上記はテルモロッシの着火ヒーター周りです。テルモロッシのエコサーモの着火の仕組みはヒーターで直接ペレットへ火を付ける訳ではございません。

ヒーターが加熱して排気ファンが回るとヒーターとヒーターが挿入されている外管との間の隙間から熱風(約800℃)を吸い込みます。これがペレットに伝わり発火する仕組みです。これが分かっていると熱風が出る隙間に灰やペレット屑などが有ると十分に熱風が通らず着火が遅れてペレットが山盛りになります。出来れば掃除機などで吸って頂くとこの様なトラブルが防げます。

またヒーターが外管と接触していると外管に熱を奪われて着火しにくくなります。外管と触れない様にヒーターの固定部を調整して下さい。

ペレットストーブ

次に大事なのは燃焼皿を乗せる台座のクリーニングです。燃焼空気のほとんどは上記写真の着火ヒーター下の穴から取り込まれ、燃焼皿の穴を通ります。

燃焼皿の穴は普段通り空気が通るよう確保して下さい。大事なのは燃焼皿台座の灰をブラシなどで綺麗に書き落として燃焼皿を乗せて下さい。

燃焼皿と台座に燃焼灰があると、そこに隙間が出来ます。燃焼空気は燃焼皿の穴を通らず、この隙間から燃焼室内へ流れ込むことになりペレット周辺に十分な燃焼空気がなくなり着火しません。

以上はお客様自身で注意できる事ですので参考にして下さい。

■着火が遅い

着火遅い原因も上記理由がありますが、その他にも「ペレットの量が多すぎる」「ストーブが土間などの冷えた環境に設置されている」などの要因が考えられます。

また、着火ヒーターの劣化が考えられます。

■着火ヒーターの劣化につて

着火ヒーターの劣化の実例を紹介します。

ヒーター線はセラミックで覆われています。そのセラミックをステンレス管でカバーされています。熱の伝わり方はヒーター線が加熱してセラミック全体が発熱してその熱をステンレス管へ伝える仕組みです。

下記は熱劣化でステンレス管が膨らみ、セラミックとの間に隙間が出来てステンレス管に十分に熱が伝わらないために着火失敗が多くなってきたヒーターの例です。ステンレス管が膨らんでいたら交換が必要です。下の写真は極端な例です。一見すると膨らんでいないような場合でも、最初の1、2回は失敗するが2、3回で成功する場合などはこれを疑って下さい。これが続くようでしたらヒーターを交換して下さい。


■その他の原因

テルモロッシのペレットストーブに限らず、燃焼用空気の取入れはドアパッキンの隙間などを

考慮して一定のバランスで供給する様に設計されています。経年劣化、熱影響にによる歪み等によりバランスが崩れると着火ミスが多くなります。また小さい機種や燃焼皿が小さいとその傾向は顕著になります。木質ペレットの課題ではありますが、細かな要因を確認する必要がありますのでメンテナンスの際は一つずつチェックして下さい。劣化していたり、改良品が出ている場合がございます。輸入元や代理店へお問合せ下さい。